マラニョン州の州都サン・ルイスは、異なる魅力にあふれる都市です。ア ニル川を挟み、一方は近代的なビルの立ち並ぶサン・フランシスコ地区 やレナセンサ地区。もう一方は歴史ある屋敷が集まる旧市街。ジョゼ・ サルネイ橋(Ponte José Sarney)が両岸を結んでいます。 プライア・グ ランデ地区にある旧市街には、1997年に世界遺産に登録された建築物 1,100棟を含む3,500棟の歴史的建造物が並んでいます。夜になると、レ ゲエのリズムがラジオやナイトクラブに流れ、カップルはお互いの体を 寄せてこのジャマイカらからのリズムに合わせて踊ります。6月から7 月にはブンバ・メウ・ボイ祭り(Bumba-Meu-Boi)が開催され、夜にな ると通りはバーのテーブルやイスに占領されます。旧市街では日曜の夜 はどこも閉まっているのであまり出歩かないほうが安全です。
サン・ルイスは、1612年にフランス人により築かれた町ですが、ポル トガル人の影響も多く見られ、18世紀から19世紀に建てられた邸宅に 使われたタイルがその一つです。アニル川の反対側には、ビーチやホテ ル、レストランの集まった海岸沿いの地域がありますが、2007年にマ ラニョン連邦大学が調査した結果、ポンタ・ダレイア・ビーチ、サン・ マルコス・ビーチ、オリョ・ダグア・ビーチとカリャウ・ビーチの水質 は海水浴に適していないと判明しました。
そして、サン・ルイス市周辺にもいくつかの観光スポットがありま す。270km離れた場所にはレンソイス・マラニェンセス国立公園があり ます。また、市街地から船で1時間の距離のアルカンタラ市は、植民地 時代には最も栄えた町で、今は廃墟となった屋敷が当時の面影を偲ばせ ます。


サン・ルイスへのアクセス
マレシャウ・ウーゴ・ダ・クーニャ・マシャド・サン・ルイス国際空港 は市街地から14km離れています。近代的な空港には、フードコートや カルチャースペースなどもあります。ブラジルの主な都市から毎日便が 運航しています。市内はアニル川を境に大きく2つの地域に分かれ、片 側には旧市街、反対側にはビーチやホテル、レストランが集中していま す。移動にはタクシーが便利で、市街地からオリョ・ダグア・ビーチま では約US$ 5.00。バスを利用する場合は、運賃はUS$ 1.00です。
レンソイス・マラニェンセス国立公園へのアクセスはいくつかの方法が あります。乗合バンを利用する場合、所要時間は3時間で料金は一人当 たりUS$ 17.00から US$ 27.00です。
バスは市内のバス・ターミナルから出発し、所要時間は4時間半、料金 は一人US$11.00です。6人乗りの飛行機をチャーターする場合、サン・ ルイスから45分で一人当たり 約US$110.00です。 アルカンタラまでは 船で1時間半かかります。潮の流れにより船の運航状況が変わります。 早朝出発し、帰りの時間も調べておきましょう。


持ち物
年間を通し気温が高いので、薄地の服や歩きやすい靴、日焼け止め、帽 子、サングラスなどは必需品です。夜間外出する際でも薄地の服で大丈 夫でしょう。

サン・ルイスの主な地区

サン・ルイスは、地区により異なる魅力をもっています。旧市街は市 の中心部のプライア・グランデ地区に位置しています。アニル川の反 対側は海岸沿いになります。さらに、270km離れたバヘイリニャスは レンソイス・マラニェンセス国立公園への入り口となる町です。

プライア・グランデ (Praia Grande)

世界遺産に登録されたサン・ルイスのコロニアル風建造物はプライ ア・グランデに集中しています。それらの建物は、民芸品店、博物 館、劇場、レストラン、バーなどに生まれ変わり、日が暮れると、レ ストランやバーはテーブルやイスを通りに広げます。旧市街の一部の 狭い通りでは露店商人であふれているところもあります。

海岸沿い (Litoral)

サン・ルイスの海岸沿いには近代的な建物が立ち並び、ホテルやレス トランは主にオランデゼス通り付近に集まっています。海は汚染がす すみ海水浴には適していません。
市街地から4kmの、ポンタ・ダレイア・ビーチにはホテルやレストラ ン、レゲエ・クラブがあり、続くサン・マルコス・ビーチはサーフィ ンにお勧め、カリャウ・ビーチはレストランや屋台が多く並びます。

 

レンソイス・マラニェンセ (Lençóis Maranhenses)

レンソイス・マラニェンセへのスタート地点はバヘイリニャスです。 ホテルやレストラン等も揃い、現地ツアーの申し込みもできます。

 

観光ルート

アルツール・アゼヴェド劇場 (Teatro Arthur Azevedo):

1817年に建 造されたブラジルで2番目に古い劇場です。ネオクラシック様式 の建物は最近修復が完了しました。内部見学は、観劇の際に見学 するか、月曜から金曜の15時~17時のツアーへの申し込みが必要 です。T Rua do Sol 180  F (98) 3218-9900  

 

カーザ・ダス・トゥリャス (Casa das Tulhas):

1820年建設。カシュー ナッツやお菓子のほか、チキラというマンジョカ芋で作った焼酎な ど、マラニョン州の特産物を販売しています。 T Rua da Estrela s/n  H 月曜から金曜6:00~20:00、土曜6:00~18:00、 日曜6:00~13:00  

 

カフア・ダス・メルセス (Cafua das Mercês):

昔は奴隷市場だっ た所で、現在は黒人博物館となってます。T Rua Jacinto Maia 43  Desterro  H 月曜から金曜9:00~18:00 $ US$1.50 カタリナ・ミナ路地 (Beco Catarina Mina): ナザレ通りとトラピシ ェ通りの間にある石畳の階段で、ドジャルマ・ドゥトラ通りから のアクセスが便利です。

 

レオンエス宮殿 (Palácio dos Leões):

1766年にフランス建築の影響 を大きく受けサン・ルイス要塞として建造され、ポルトガル領土 となってからは宮殿として利用されました。1690年に建設された ラ・ラヴァルディエル宮殿と現市役所が隣接しています。 T Avenida Dom Pedro II s/nº  F (98) 2108-9000 H 月曜、水曜、金 曜14:00~17:30

 

ソラル・ドス・ヴァスコンセロス歴史記念センター (Memorial do Centro Histórico Solar dos Vasconcelos):

マラニョン州の船の歴史 について学ぶには最適です。旧市街地の写真や模型も展示され、 職人が作った伝統的な船のミニチュアもUS$5.00からUS$20.00で 販売されています。T Rua da Estrela 562  F (98) 3231-9075 H 月曜から金曜8:00~18:30

 
教会

最も古い教会は1627年に建てられたカルモ教会です。1643年に オランダ人を追放した兵隊たちが滞在したという歴史がありま す。 T Praça João Lisboa s/n 

 

セー教会は1690年にイエズス会の宣教師により建てられました。 金箔の中央の祭壇が見事です。T Praça Dom Pedro II s/n F (98) 3222-7380  H 毎日8:00~12:00、14:30~18:00 聖母デステーホに ささげたデステーホ教会もあります。T Largo homônimo s/n


博物館

カーザ・ド・マラニョン (Casa do Maranhão):

ブンバ・メウ・ボイ祭 りで使う衣装や楽器が展示されています。1873年建造の建物は税 関として使われていました。T Rua do Trapiche, s/n  F (98) 3218-9955 H 火曜から日曜9:00~19:00

 

マラニョン歴史芸術博物館 (Histórico e Artístico do Maranhão):

1836年にゴメス・デ・ソウザ氏の別荘として建てられ、1973年に 博物館となりました。家具やクリスタルなどの装飾品を揃え、植 民地時代の上流階級の生活を再現しています。 T Rua do Sol, 302 F (98) 3221-4537 H 火曜から金曜9:00~19:00  土曜と日曜9:00~18:00 

 

ニョジーニョの家 (Casa de Nhozinho):

1974年に亡くなった職人、 マイスター・ニョジーニョ(Mestre Nhozinho)がブリティヤシで 作った民間伝承の登場人物や玩具などを展示しています。 T Rua Portugal, 185  F (98)3218-9951 H 火曜から日曜9:00~19:00

 

民族文化センター (Centro de Cultura Popular):

「お祭りの家(Casa da Festa)」とも呼ばれています。カーニバルや、民間祭りのタ ンボル・デ・ミナ(Tambor de Mina)やフェスタ・ド・ディヴィ ノ(Festa do Divino)などの衣装や道具を展示しています。 T Rua do Giz, 221  F (98) 3218-9925 H 火曜から日曜9:00~19:00

 

宗教美術館 (de Arte Sacra):

ポルトガル・タイルで装飾された建物 は、グラジャウ男爵の別荘でした。19世紀からのマニエリスム、 バロック、ロココ、ネオクラシックなどの様式の宗教画や像を展 示しています。T Rua do Sol, 302  F (98) 3221-4537  H 火曜から 金曜9:00~19:00土曜と日曜9:00~18:00 

 

レンソイス・マラニェンセス (Lençóis Maranhenses)

バヘイリニャスとプリメイラ・クルス(Primeira Cruz)とサン ト・アマロ(Santo Amaro)の間にある総面積155,000haの土地 がレンソイス・マラニェンセス国立公園です。ここへは、バヘイ リニャスが起点となります。環境保護法により美しい自然が保 たれ、魚類や渡り鳥の宝庫で高さ40mにもなる砂丘や、青い水の 池、ラゴア・アルールやタゴア・ボニタへジープで向かうと公園 の一部を巡ることができます。
ベストシーズンは雨が少なく池に水が豊富な7月から9月です。 ここには様々な楽しみ方があり、ジープでラゴア・ボニタ(美し い池)かラゴア・アズール(青い池)まで向かいます。ラゴア・ ボニタへはプレギサス川を渡り、砂の道を進みますが途中、高さ 40mの砂丘を歩いて登らなければなりません。ラゴア・アズール へは、同じようにプレギサス川を渡り、砂丘まで約1時間進みま す。どちらも所要時間は5時間。詳 しくは F (98) 3349-0372まで。飲料水や日焼け止め、軽食、サ ングラスは必需品です。

96km離れたサント・アマロ・ド・マラニョン(Santo Amaro do Maranhão)迄は、やはりバヘイリニャスからジープで向かいま す。このあたりで一番大きい湖、ガイヴォタ湖やエメンダダス 湖はここにあります。4人乗りのジープを利用し。空中から景色を楽しむのであれ ば、小型飛行機で白い砂丘や青い湖を上空から見るツアーもあり ます。詳しくは F (98) 3349-0730 / 3349-0000まで。他には全長70kmのビーチもあります。長いビー チには場所によりそれぞれ違う名前が付けられています。バヘイ リニャスに最も近いレンソイス・ビーチ(Praia dos Lençóis)は、 船で1時間のカント・ド・アチンス(Canto do Atins)にあります。

 

世界遺産

サン・ルイスは1997年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。18世 紀から19世紀の古い邸宅が4,000軒近く残り、そのうちの約1,000軒が歴 史的にも文化的にも重要性のある建物と認めらました。プライア・グラン デ地区にあるこれらの建物は全て、外壁はポルトガル製のタイルで装飾さ れ、石畳の道には街灯が並び、当時の面影を偲ばせています。全てが修復 された今、訪れた人は時代を溯った気分に誘われます。内部見学が可能な 建物は、レオンエス宮殿(Palácio dos Leões (1766)、アルツール・アゼヴェ ド劇場(Teatro Arthur Azevedo (1817)、カーザ・ダス・トゥリャス(Casa das Tulhas - 1820)、カタリナ・ミナ(Beco Catarina Mina - 18世紀)、カフア・ダ ス・メルセス(Cafua das Mercês - 19世紀)とカルモ教会 (igrejas do Carmo – 1627)、セー教会 (Matriz da Sé - 1690)とデステーホ教会 (do Desterro - 19世 紀)です。